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横浜地方裁判所 平成5年(ワ)3069号 判決

原告

株式会社アイハン

被告

堂原泰明

主文

一  被告は、原告に対し、一五六万三八九一円及びこれに対する平成四年五月三一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告のその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用は、これを三分し、その一は原告の負担とし、その余は被告の負担とする。

四  右一は、仮に執行することができる。

事実

一  当事者の求めた裁判

1  原告

(一)  被告は、原告に対し、二二九万九七九一円及びこれに対する平成四年五月三一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

(二)  訴訟費用は被告の負担とする。

(三)  仮執行宣言

2  被告

(一)  原告の請求を棄却する。

(二)  訴訟費用は原告の負担とする。

二  当事者の主張

1  請求原因

(一)  交通事故の発生

平成四年五月三一日午後一一時ころ、神奈川県茅ケ崎市高田四丁目五番五一号先県道を茅ケ崎駅方面から遠藤方面に向けて進行中の被告運転の普通乗用自動車(相模三四ろ一〇四四)(以下「被告車」という。)は、対向車と接触し、そのはずみにより、対向車線を横切つて右折する形で歩道を越え、原告の営む中古車展示場に飛び込み、歩道に面して設置されたブロツク築花壇に暴走突入するとともに、照明用ポールを根こそぎ薙ぎ倒し、道路に向けて整列してあつた展示中車両四台の各前部に次々と激突した。

(二)  責任原因

本件事故は、被告が、被告車を運転するに際しては、他の車両等の動静を注視し、他に危害を及ぼすことがないように安全に運転すべき注意義務があつたにもかかわらず、これを怠つた過失により発生したものである。したがつて、被告はこれによる原告の損害について民法七〇九条に基づく損害賠償責任がある。

(三)  損害

(1) 本件事故により、原告は四五三万七二円の損害を被つた。

〈1〉 所有物件の損傷

ア ブロツク及び花壇の植栽 三〇万五二〇九円

イ 照明用ポール 三六万九一二円

ウ 展示中の中古車 三二二万一二三五円

展示中の中古車四台(以下「被害車両」という。)が損傷を受け、三二二万一二三五円の損害を被つた。その算定根拠は別紙「被害車両目録」のとおりである(なお、以下、被害車両個々の特定は、同目録「交通事故証明書での符号」欄の符号によつて行う。)。

「販売予定価格」は、丙・己は、本件事故展示場における表示価格である。いずれも、夏場に向けての目玉商品で、近々右価格で売却できる高度の蓋然性があつた。丁は掲記の一一八万円で訴外小嶋左官工業所と仮契約済み、戊は掲記の一二三万円で訴外丸山勝義と売買契約済みであり、いずれも、本件事故がなければ右各価烙で売却できたはずであつた。

己は商品車としての復元が不可能な損傷を受けたため全損処理を余儀なくされた。丙・丁・戊は、全損には至らなかつたので、掲記の「修理費用」をかけて修理はしたものの、商業道徳上、これを商品として店頭で販売することはできなかつたためいわゆるオークシヨンにかけざるを得なかつた。

「売却・処分実費」は、丙・丁・戊については、修理後オークシヨンにかけて売却するに至るまでの陸送料・オークシヨン出品料・成約料であり、己については全損処分のための解体料である。

「実売却価格」は、オークシヨンにおける丙・丁・戊の各売却価格である。

右のとおりであつて、本件は、本来であれば、被告が被害車両を引き取り、その販売予定価格の合計額である四九八万円を原告に賠償すべき事案なのであるが、被告がそれをできなかつたため、原告において、全損には至らなかつた丙・丁・戊については修理のうえ中古車市場のオークシヨンにかけて売却し、損害の拡大を防いだのである。したがつて、右各車両については、販売予定価格に修理費用と売却処分のために要した費用を加算し、実売却価格を差し引いた金額が原告の被つた損害となる。

〈2〉 慰藉料 三〇万円

原告は、中古車販売を業とするものであり、本件事故により無形の損害を被つた。すなわち、被害車両の各仕入れ価格とそのための経費は、丙は、仕入れ価格九五万二〇〇〇円、経費四万九二〇〇円、丁は、仕入れ価格八九万三〇〇〇円、経費一万六三〇〇円、戊は、仕入れ価格九二万五〇〇〇円、経費一万六三〇〇円、己は、仕入れ価格一一〇万一〇〇〇円、経費一万八三〇〇円、合計三九七万一一〇〇円であるところ、これらの費用はそのほとんどが借入れによつたものであり、相当の金利負担を強いられている。また、本件事故のために車両販売業務全体にも支障をきたした。このような事情がある場合、原告は慰藉料を請求し得るものというべきであり、その額は三〇万円を下らない。

〈3〉 後始末費用 四万二七一六円

本件事故による破損物の取り片付け、被害車両の点検移動等、事故現場の後始末のため、原告の役職員四名が本業をなげうつて一日これに携わることを余儀なくされ、原告の業務遂行に支障をきたした。賃金センサス平成三年の男子学歴計一〇人ないし九九人の平均賃金(年額三八九万八〇〇〇円)を基礎とすると、右四名分の一日当たりの賃金は四万二七一六円であり、原告は本件事故による後始末のために同額の損害を被つたことになる。

〈4〉 弁護士費用 三〇万円

原告は、本件訴訟の提起と遂行を原告訴訟代理人らに委任し、その報酬として三〇万円を支払うことを約したので、同額の損害を被つたことになる。

(2) 損害の填補 二二三万二八一円

原告は、本件事故による損害のうち、(1)〈1〉アイの合計六六万六一二一円と、ウについての一五六万四一六〇円(右の千代田火災海上保険株式会社の認定に係る修理代金)、合計二二三万二八一円の填補を受けた。

(四)  よつて、原告は、民法七〇九条に基づき、本件事故による損害賠償として、被告に対し、二二九万九七九一円及びこれに対する本件事故日である平成四年五月三一日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払うことを求める。

2  請求原因に対する答弁

(一)  請求原因(一)(二)は、認める。

(二)  同(三)について

(1) (1)について

〈1〉は、アイは認め、ウは被害車両が損傷を受けたことは認めるが、その余の点は不知ないし争う。〈2〉〈3〉は、不知ないし争う。〈4〉は争う。

(2) (2)について

認める。

3  被告の主張

(一)  被害車両の損傷による損害について

(1) 損害算定方法についての基本的考え方

〈1〉 原告の主張は、被害車両が販売予定車両であつたということのみから、全損の場合と同じような損害を請求しようとするものであるが、被害車両の損傷による損害については、通常の車両損害に関する算定方法と同様に、修理代金相当額と格落ち評価損の合計額をもつて損害額と考えるべきである。すなわち、車両の損傷による損害については、全損として事故当時の価格と残存価格(売却価格)との差額を損害として請求し得るのは、それが物理的に修理不能のとき、経済的に修理不能のとき、車両の本質的構成部分に重大損傷が生じたとき、のいずれかに当たる場合に限られ、このような場合を除いては、修理代金(又はいわゆる格落ちが発生する場合は、それと評価損)をもつて損害とするという理論が確立されてきているのであり、販売が予定されていたというだけで常に全損と同様の扱いをするというのは、例えば販売を予定していない個人の車両の場合などと公平を失することになる。

なお、原告は、丁は一一八万円で仮契約済み、戊は一二三万円で売買契約済みであつたと主張するが、それについての書証としては、「仮契約書」、「売買契約書」ではなく、「ご説明メモ(見積書)」(乙第一号証)と「注文書」(乙二第号証)が提出されているだけである。前者は、要するに、販売予定価格に諸費用を含めた最終的な金額を見積もつて顧客の判断のために資料として提供しただけのものであり、丁の売却がその程度の段階であつたとすれば、それが「仮契約済み」であつたとはいい難く、その損害について丙・己と異なつた考え方をすべき理由はない。また、後者も、その注文者欄に、原告主張の注文者「山丸勝義」の印鑑は押捺されていないから、戊について正式な売買契約が成立していたとはいえず、したがつて、その損害の算定に当たり他の被害車両と別異に考えなければならない理由は存しない。

〈2〉 仮に、販売予定車両について、個人の車両と同様の損害額算定方法を採用するのは妥当でないとしても、販売予定価格を基礎とするのではなく、仕入れ価格と修理代金から実販売価格を控除する方法によるべきである。被害車両のような中古車の販売においては、いわゆる値切り交渉が一般化しており、販売予定価格は、業者がその価格での販売を希望するという金額にすぎず、相当減額されて売買が成立するのが実際であるし、また、展示された車両のすべてが速やかに売却できるものではなく、一部の車両は売れ残つて安値で売却されることも希ではない(例えば、甲第一三号証によると、被害車両のほかにも原告からオークシヨンに出した車両が存在していたことが分かる。)から、販売予定価格を損害額算定の根拠とするのは、不確実な利益の可能性をもつて損害とみることになり、妥当ではない。

(2) 具体的損害額

〈1〉 修理代金と評価損をもつて損害とみる場合

修理代金(査定額)は合計一五六万四一六〇円(内訳は、丙・二四万四九一〇円、丁・一九万二六〇〇円、戊・四一万一九二〇円、己・七一万四七三〇円)であり、評価損は、販売予定車両であつたという特殊性を考慮しても修理代金の三割相当額である四七万円を上回ることはない。したがつて、損害額は二〇三万四一六〇円である。

〈2〉 仕入れ価格を規準とする場合

仕入れ価格(訴訟前の交渉段階において原告の帳簿により確認したもの)は、合計三八九万一〇〇〇円(内訳は、丙・九五万二〇〇〇円、丁・九二万三〇〇〇円、戊・九一万五〇〇〇円、己・一一〇万一〇〇〇円)であるところ、訴状における原告の主張によれば、実際にかかつた修理費用は合計四九万一七六三円、実売却価格は合計二三一万二〇〇〇円である。したがつて、損害額は二〇七万七六三円である。

〈3〉 残損害額

被害車両の損害については一五六万四一六〇円が填補されているから、右〈2〉によつた場合でも、残損害額は五〇万六六〇三円である。なお、原告が訴状で主張する売却・処分実費五万八三七〇円をこれに加えても五六万四九七三円である。

(二)  慰藉料について

原告は、車両損害のほかに慰藉料を請求しているが、物損の場合には原則として慰藉料は認められないのであり、本件について例外とすべき特殊事情はないと考える。

三  証拠関係

記録中の書証目録のとおりである。

理由

一  請求原因(一)(交通事故の発生)及び(二)(責任原因)は、当事者間に争いがない。

二  そこで、請求原因(三)(損害)について判断する。

1  所有物件の損傷による損害(請求原因(三)(1)〈1〉のアイウ)

(一)  ア(ブロツク及び花壇の植栽)及びイ(照明用ポール)の損傷により、原告が合計六六万六一二一円の損害を被つたことは当事者間に争いがない。

(二)  展示中の被害車両の損傷による損害について検討する。

(1) 本件事故によつて被害車両が損傷を受けたことは当事者間に争いがないところ、原本の存在・成立に争いのない甲第二号証、成立に争いのない甲第四号証ないし第七号証(いずれも枝番を含む。)、成立に争いのない甲第一九号証及び弁論の全趣旨によれば、原告は中古車の販売等を業としている者で、被害車両はいずれも商品として販売のために展示中のものであつたことが認められるから、その損傷による損害は、仕入れ価格(車両本体の価格と仕入れに伴う必要経費を合わせたもの)に事故による損傷がなければ通常上げ得たであろう利益を上乗せした金額を基礎として算定するのが相当であり、いわゆる全損状態の場合は右金額にその処理のために要した費用を合わせたものが、損傷後修理のうえ他に売却し得た場合は、右金額に修理費と売却のために特に要した経費を加えた金額から売却により取得した金額を差し引いたものが損害となるというべきである。

(2) これを本件についてみると、成立に争いのない甲第八号証ないし第一六号証、前掲甲第一九号証及び弁論の全趣旨によれば、被害車両のうち、己は、商品としての復元が不可能な程度の損傷を受けたため全損処理を余儀なくされたこと、丙・丁・戊は、いずれも全損状態には至らなかつたものの、中古車販売業における通常の商品として販売に供するのは相当でなかつたため、修理のうえ、いわゆる中古車市場のオークシヨンにかけられてようやく売却に至つたこと、そして各車両の仕入れ価格等は次のとおりであることが認められる(なお、仕入れ価格は、車両本体価格と仕入れに伴う必要経費と認める落札料・陸送料・ルームクリーニング代・自動車税とを合算したものであり、売却経費は、売却のために特に要した経費と認める陸送料・オークシヨンへの出品料・成約料、である。消費税は、原告自らこれを経費等の中に入れていないので考慮しないこととした。)。

〈1〉 丙

ア 仕入れ価格一〇〇万一二〇〇円、イ 修理費一一万一六四〇円、ウ 売却経費一万九四〇〇円、エ 売却による取得した金額六八万四〇〇〇円

〈2〉 丁

ア 仕入れ価格九〇万九三〇〇円、イ 修理費一三万四六九五円、ウ 売却経費一万七〇〇〇円、エ 売却による取得した金額八一万八〇〇〇円

〈3〉 戊

ア 仕入れ価格九四万一三〇〇円、イ 修理費二四万五五〇〇円、ウ 売却経費一万五〇〇〇円、エ 売却による取得した金額八一万円

〈4〉 己

ア 仕入れ価格一一一万九三〇〇円、イ 解体費一万円

問題は、損害として認め得る「事故による損傷がなければ通常上げ得たであろう利益」の額如何であり、前掲甲第一九号証及び弁論の全趣旨によれば、被害車両の販売予定価格は、丙は一一九万円、丁は一一八万円、戊は一二三万円、己は一三八万円であり、その旨店頭表示されていたことが認められるところ、原告は、現に右価格で丁は仮契約済み、戊は契約済みであり、他の丙・己も右価格で売却できる高度の蓋然性があつた旨主張し、右甲第一九号証中にはこれに沿う部分がある。また、右の仮契約済みに係るものとして「ご説明メモ(見積書)」(甲第一七号証)が、契約済みに係るものとして「注文書」(甲第一八号証)がそれぞれ提出されている。

しかしながら、被告も指摘しているように、まず、一般に、被害車両のような中古車の販売においてはいわゆる値切り交渉が行われるのが社会通念上むしろ普通のことであるから、表示された販売予定価格そのものが減額されるか、あるいは右の価格はそのままでカー用品等のサービスが付加されるかはともかく、実質的にみて、右価格により予定された利益がそのまま発生することが常態であるとは考えにくい。また、右の「ご説明メモ(見積書)」(甲第一七号証)も、同号証の記載内容に照らすと、それは、丁車両の購入に関心を寄せた顧客に対して一応の説明と見積もりを示した程度のものとみるのが相当であり、これをもつて丁について仮契約が成立していたとまで認定するのは無理である。「注文書」(甲第一八号証)も、同号証の記載によれば、代金の支払について信販会社のローンの利用が予定されているにもかかわらず、それに関する書類が作成された形跡はないし、被告も指摘するように注文者(買主)欄の押印予定箇所の押印もなされていないのであり、これをもつて直ちに戊について契約が成立していたとまで認定することはできない。以上の次第で、甲第一九号証中の原告主張に沿う部分はそのまま採用できず、また、「ご説明メモ(見積書)」(甲第一七号証)及び「注文書」(甲第一八号証)も、直ちに原告主張を裏付けるものとはいえない。

右の検討を踏まえ、当裁判所は、原告における中古車販売の利益率や被害車両の中古車としての一般的売れ行き状況等に関する客観的・具体的資料の存しない本件にあつては、本件事故による損害として認め得る「事故による損傷がなければ通常上げ得たであろう利益」の額は、被害車両四台を通じて、販売予定価格から仕入れ価格を差し引いた金額の五割程度とし、丙については九万四〇〇〇円、丁については一三万五〇〇〇円、戊については一四万四〇〇〇円、己については一三万円をもつて相当と認める。なお、被告は、販売予定価格を損害額算定の根拠とするのは、不確実な利益の可能性をもつて損害とみることになり妥当ではない旨主張するが、原告は中古車の販売等を業とする者で、被害車両は現に販売のため展示中の商品だつたのであるから、本件事故に遭わなければ被害車両の販売によつて一定の利益を上げ得たものとみるのが自然であり、これを算定するための目安として販売予定価格を用いることに格別の不合理はないというべきである。

(3) 右によれば、被害車両の損傷による損害は、丙は五四万二二四〇円、丁は三七万七九九五円、戊は五三万五八〇〇円、己は一二五万九三〇〇円、合計二七一万五三三五円と認めるのが相当である。

2  慰藉料

原告は慰藉料という項目のもとに三〇万円の支払を求めているが、その理由として述べる内容に鑑みると、それは、必ずしも本来的意味での慰藉料だけではなく、所有物件の損傷、後始末費用及び弁護士費用として掲げた損害項目には直ちには含まれない類いの有形・無形の損害という趣旨を含むものと解されるところ、前掲甲第一九号証及び弁論の全趣旨によれば、慰藉料請求の所以として主張するような事情はこれを推認するに難くなく、本件事故によつて、このような、前記の所有物件の損傷等の三つの項目では包せつしきれない、本件事故ゆえの金銭的・労力的負担や本来的業務にとつてのマイナス要因という有形・無形の損害が発生したであろうことは見易い道理というべきであり、これを本件事故による損害算定に当たつて全く斟酌しないというのも相当とは思われない。かかる意味合いの有形・無形の損害については、所有物件損傷による損害額三三八万一四五六円の約五パーセントである一七万円の限度で、これを本件事故と相当因果関係のある損害として認めるのが相当である。

3  後始末費用

前掲甲第二号証、第四号証ないし第七号証及び弁論の全趣旨によつて窺われる本件事故の規模等と前掲甲第一九号証及び弁論の全趣旨とを総合すると、原告が本件事故の後始末に相当の労働等を余儀なくされ、その分だけ本来的業務の遂行に悪影響があつたであろうことは推認に難くなく、かかる意味合いの後始末費用は原告主張の四万二七一六円を下らないものと認めるのが相当である。

4  損害の填補

右1ないし3の損害額を合計すると三五九万四一七二円であるところ、本件事故による損害について原告が合計二二三万二八一円の填補を受けたことは当事者間に争いがないから、右損害額からこれを差し引くと一三六万三八九一円となる。

5  弁護士費用

原告が本件訴訟の提起・遂行を原告訴訟代理人らに委任したことは明らかであり、事案の性質・審理の経過・前記認定の損害額等に鑑みると、本件事故と相当因果関係のある損害としての弁護士費用は二〇万円をもつて相当と認める。

6  したがつて、本件事故による原告の残損害額は一五六万三八九一円である。

三  以上の次第であるから、原告の本訴請求は、一五六万三八九一円及びこれに対する本件事故日である平成四年五月三一日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、その余は失当である。

よつて、民事訴訟法八九条、九二条、一九六条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 根本眞)

被害車両目録

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